まちを通る風を感じて

防災・復興まちづくり研究者,市古太郎のBlog

火山離島での災害対応特性と生活回復過程(1986大島噴火,2000三宅島噴火,2013大島火山泥流災害の比較考察)

 2013年の台風26号接近に伴う伊豆大島での火山泥流災害をきっかけに,火山離島での防災研究に携わることになりました.台風26号からの大島の復興についての参与観察調査,避難行動インタビュー調査,そして2017年からは町立小中学校での防災授業でのアクションリサーチを実施してきました.同時に,2017年に東京都立大学島嶼火山・都市災害研究センターが設置され,火山学,防災工学を専門とされる都立大研究チームとの現地訪問やディスカッションも重ねてきました.

 約10年間のフィールドワークを通して,問題意識として構成されてきた火山離島での災害対応特性と生活回復過程について,1986年大島噴火,2000年三宅島噴火,2013年大島火山泥流災害を対象に,1986年と2000年は主として文献史料調査とインタビュー調査,2013年火山泥流災害はこの間のフィールドワークを元にとりまとめてみました.

 ドラフトですが,ぜひご意見とフィードバックを進めたく,2022/9/9の八丈島民大学でお話をさせていただく機会も経て,ここで公開します.

 なお本論考の要点は下記です.

A.三つの自然災害対応に共通した特徴

  1. 東京都-島嶼部町村の強力な連携対応体制
  2. 島外全島避難という選択肢
  3. 火山砂防施設の整備と防災体制構築
  4. 生計回復としての観光業回復の重要性

B.三つの災害対応における変化と展開

  1. 災害情報の伝達手段
  2. 災害時要支援者の支援体制と消防団・自主防災組織
  3. 全島避難に伴う受入先と避難生活環境
  4. 避難生活コミュニティ
  5. 奉仕活動と市民ボランティア

Draft:火山離島での災害対応特性と生活回復過程(2022/8/31)