まちを通る風を感じて

防災・復興まちづくり研究者,市古太郎のBlog

過去Log2011/4月〜2017/3月(准教授時代)


2017/03/31(金)神戸の研究会の記録

 2017/2/4に神戸大学セミナーで話をさせていただいた内容,北後先生の研究室メンバーが,うまく記録にまとめてくださいました.
 下記に公開されていますので,よろしければ,ご覧ください.
神戸大学都市安全研究センター 第218回RCUSSオープンゼミナールの記録


2017/02/05(日)JIAセミナー:事前復興と建築家の役割

 日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部住宅部会のセミナーとして,ディスカッションの機会をいただきました.
 事前復興まちづくりにおける建築家の役割と可能性について,突っ込んだ議論ができるように思っています.どうぞ,お越しください. 

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2016/12/20(火)神戸大学RCUSSオープンゼミナール

神戸大学が主催する都市安全研究センターのセミナーで,気仙沼での支援調査活動をもとに話しをさせていただく機会をいただきました.お近くの方は,ぜひ.
<第218神戸大学RCUSSオープンゼミナール> ■日時:2017年2月4日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室 開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員60名)
      神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
      http://open.kobe-u.rcuss-usm.jp/p/access.html
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
■共催:神戸市危機管理室、神戸市消防局、神戸大学地域連携推進室
■後援:兵庫県
■プログラム
仮設住宅からはじまった復興コミュニティデザイン −仙台・あすと長町での取り組みから熊本・益城町へ−
 新井信幸 東北工業大学工学部建築学科准教授
 東日本大震災の復興過程では、過去の教訓から、被災前の地域コミュニティの維持を重視する対応がみられてきたが、仮設住宅団地においては被災前の地域コミュニティが維持されていないところも多くみられた。このようなコミュニティ非継続型の仮設住宅団地では、むしろ新たにコミュニティを創出することが求められるが、「あすと長町仮設住宅」では、多様な外部からの支援を受けながら、居住者同士で高齢者等の暮らしをサポートする関係を育んでおり、さらに災害公営住宅への移行に向けてコミュニティを維持する取り組みを展開してきた。本報告では、このような取り組みを「復興コミュニティデザイン」と称し、成否のポイントなどについて振り返りつつ、新たな被災地での取り組みについて検討していきたい。
②防災集団移転事業を活用した小集団住宅自主移転再建 ―気仙沼での5年間の支援調査活動から―
 市古太郎 首都大学東京 都市システム科学域准教授
 災害からの住宅再建では「個別―集団」および「現地―移転」パターン(インド洋大津波からの住まい再建研究(たとえば牧ら)参照)が知られており「選択肢を増やす」という意味からも被災者のニーズにマッチしうるものと思われます。東日本大震災では加えて「自力」と「自主」という意味提起がなされてきました(近藤・柄谷「個別自主再建に関する研究」参照)。では「集団」かつ「移転」かつ「自主」は成り立ちうるのか?首都大学市古研究室で調査支援に取り組んできた気仙沼市階上地区のケースを元に考えます。特に防災集団移転事業が,住宅再建者の自主性・主体性を後押しする制度になっているか? 多様な視点からのディスカッションを楽しみにしてます。
 


2016/09/10(金)野田村のブルーツーリズム

 岩手県野田村に滞在.
2011年の東日本大震災以来の関係ですが,漁業の現場の魅力を堪能させていただきました.
ブルーツーリズムの魅力がここに,です.

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2016/07/26(火)杉の下近辺にもどる会第27回勉強会

 完工住宅のお披露目会とクローバーの記念種蒔きと,懇親会と!

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2016/06/20(月)八王子市元横山町で事前復興まちづくり訓練

 八王子駅から徒歩10分,浅川沿いの元横山町地区で,事前復興まちづくり訓練がスタート.
 八王子では2005年度から事前復興が開始されていますが,訓練としては6地区目.八王子の訓練で感じるのは,区部とは少し違う「熱気」.本日も第1回目の訓練でしたが,開始から非常に強い集中力で,予定していた時間があっという間,でした. 

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2016/03/24(木)口永良部島火山噴火調査

 2015年5月29日に本噴火した鹿児島県口永良部島の現地調査へ
 戦後直後には2000人の居住人口が,噴火災害時は約150人.そして現時点で帰島を実現できているのは約90人.
 それでも,小中学校を中心に,この島には「文化とやさしさ」がある.もちろん,災害への向き合い方にもつながってくる関係性の場として.

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2016/02/15(月)杉の下近辺にもどる会第25回勉強会

 第25回目となった勉強会.
 外構工事の共同工事について意見交換.再建の現場で,復興はまだまだ終わっていない,ことを実感. 

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2016/01/06(水)イリノイ州立大学との交流セミナー

 2016年の仕事始めは,イリノイ州立大学都市地域計画学科のRobert Olshansky先生のゼミとの交流セミナーからスタート.
 午前中に東池袋雑司ヶ谷日本女子大薬袋研とのコラボ),豊島区役所でのブリーフィング.午後に多摩ニュータウンNPO多摩まちづくり専門家会議とのコラボ)を歩き,福祉亭で懇親会.

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2015/12/14(月)杉の下近辺にもどる会第24回勉強会

 2015年の年末に第24回目の勉強会を迎えました.
 この間,宅地の引き渡しもおこなわれ,住宅再建について,ようやく再建者の方も目処が立つようになってきました. 

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2015/11/27(金)高齢者・子育ての不安に寄り添う復興を組み立てる:豊島区長崎123地区復興まちづくり訓練

 11/21に長崎地区復興まちづくり訓練報告会が実施され,5月に神戸野田北部の河合さんにお越しいただいてのガイダンスから半年以上にわたって実施されてきた復興訓練も最終回を迎えました,豊島区では2009年度の上池袋から始まって4地区目ですが,一貫して市古研究室も関わりを持たせていただいています.豊島区の事前復興まちづくりについては,豊島区のホームページもご覧ください.

 報告会では,パネルディスカッションのコーディネーターを務めさせていただきました.論点として提起共有したのは,第1に被害が集中し市街地復興事業による重厚型復興街区にとどまらず,一部損壊も含めて自治町会圏域と生活圏の単位で「計画」をつくることの意味について,第2に,いざという際に専門家の智慧をうまく(場合によって「したたかに」)取り入れながら復興を進めていくことの重要性です.これは長崎123地区における復興訓練の成果とも感じた点でした.

 報告会も含めて6回のワークショップを通して,長崎123地区の訓練成果は「地域の智慧を活かして高齢者と子育て世帯の不安に寄り添う再建を組み立てる」という方針が浮かび上がりました.報告会のパネルディスカッションの2つの深掘り議論も,この点に関連しての投げかけでした.すなわち「地区のスケールでの計画づくり」は高齢者・子育て世帯の不安に寄り添って,という意見が参加者から多く出されたことから,地域の関係性のネットワークの中で,復興に取り組むための手立てでもあります.また専門家の智慧を取り入れて,は,長崎地区の訓練において,地域在住の専門家が複数参加され,地域人としても関わるきっかけになったこと,が印象的だったため,でした.

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2015/09/29(火)ネパールゴルカ地震復興初動調査

2015年4月25日に発生したNepal Golca地震の復興初動調査でKathmanduからTrishuli coraに沿って中国国境につながるルート沿いを進み,Nuwakototを経て,標高1460mのSyabru Bensiに.

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2015/09/14(月)気仙沼長磯浜防集での共同発注支援

 気仙沼長磯浜防災集団移転協議会のサポート.
 外構工事の共同発注のお手伝いをしています.

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2014/07/26(日)豊島区長崎123地区復興まちづくり訓練

 2013年度の雑司が谷霊園南地区に引き続き,2015年度は西武線椎名町駅北側の長崎123丁目での震災復興まちづくり訓練のサポートをしています.
 訓練もすでに2回を終え,長崎123地区における震災復興の課題が見えてきました.空き家の問題,地域コミュニティの体制の問題,街区サイズが大きいがゆえの「旗竿敷地」問題など.3回目に向けて,アイディアをまとめ,これまでのつぶやきを回収していくステージに入ります.
 復興まちづくり訓練は,研究室の活動として,基本的に研究室メンバー全員で従事しています.事前に研究室でまちあるきをした際,コロッケやさんから「差し入れ」をいただくなど,暖かく受け入れていただいています.

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2015/05/29(金)伊豆大島で会いましょう!(ISSS春大会)

 2015年度地域安全学会の春大会が5/29(金)-5/30(土)の2日間,伊豆大島で開催されます.
 市古は担当理事として実行委員会事務局長を務めてます.
 概ね,次のようなプログラムです.
 ・5/29(金)
  午前(高速艇到着後)三原山視察ツアー
  午後:研究発表会
  夕方:総会,懇親会
 ・5/30(土)
  午前:公開シンポジウム「台風26号水害からの復興島づくり」

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2014/11/09(日)杉の下近辺にもどる会第20回勉強会

 2012年6月に始まった杉の下近辺にもどる会,第20回勉強会.
 市役所から,工事行程が説明される.行程は伸びそうだが,住宅再建の見通しに大きなマイナスではない.
 ゆっくりだが,着実に復興は進んでいる.そして,復興の現場にこそ,さまざまな日本の地域社会の問題点を解く鍵がある.「いま,そこ」でのささやきとざわめきをいかにキャッチし,理論化できるか,毎回,ハッとするような気づきが,ある. 

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2014/10/03(金)

 Boulderで開催された第3回都市防災会議に出席.気仙沼階上のProjectを報告.
 City Plannerのプレゼンスの大きさとPlanningと関連づけた理論志向研究の展開に大いに刺激をうけた.現場でのFacts findingと理論化を意識して進めること,40代の自分の研究のミッションを改めて確認したような気分

 実はアメリカ入国は12年ぶり.
 Denber空港とBoulderの過ごしやすさに脱帽.

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2014/08/20(水)野田村シャレットワークショップ2014

 4年目,第4回目となる岩手県野田村の復興まちづくりシャレットワークショップ.
 今年度も研究室フルメンバーで参加させていただく.
 居心地のよさと,ハッとさせる村民の方の声と,復興のいま,ここ,を感じさせる3日間でした. 

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2014/08/15(金)シンポ案内:回復力のあるコミュニティをつくる

  8/28に八王子市役所と表記のシンポジウムを企画しております.
 「回復力のあるコミュニティをつくる」,それぞれのパネラーが,それぞれの専門から「事前復興」について語る場になりそうです.パネラーのみなさまとは,事前復興のProjectをご一緒したことはないのですが,長野県北部地震の集落復興調査,石巻市の生活再建支援Project,東日本大震災津波避難行動調査,横浜市の職員研修プログラムといった場で,ご一緒させていただき,大変にご示唆を受けてきてみなさま,です.村松副市長も登壇されます.
 よろしければ,ご参加ください.

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2014/07/19(土)葛飾東金町地区 震災復興まちづくり訓練

 昨年度(2013年度)は豊島区の雑司が谷だったが,今年度はご縁があって,葛飾区の東金町地区で震災復興まちづくり訓練の企画運営に従事させていただくことになった.
 本日は現地での打合せ.まちを歩き,東金町地区センターで区役所の方と打合せ.やはり現場での打合せは,いろいろと具体のアイディアが沸いてくる!
 日本建築家協会,首都大基礎ゼミ卒業生のボランティアといった新たなネットワークにも心強く思う.本訓練は10月にスタートです. 

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2014/06/10(火)

 桃園県にある銘伝大学にお声をかけていただき,コミュニティ防災のスタジオ演習と特別講義をさせていただく.
 台湾は2007年の3rd ICUDR以来,7年ぶり.なんだかいっそうピースフルな社会になっている雰囲気.
 コミュニティを単位とした防災研究,国際的なパートナーシップをもって取り組めそうな,大きな手応えを感じた3日間だった.

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2014/05/11(日)伊豆大島台風26号からのふるさと復興

 2013年10月の台風26号で伊豆大島は大きな被害を被った.
 ブログでの紹介は今回が初めてですが,首都大としての取り組みもあり,また,奇遇な(運命的な?)つながりもあり,台風災害からの復旧復興に関わらせていただいている.
今回は5/8に開催された「町民復興会議」と「元町地区地区分科会」に復興計画策定委員会委員の立場で参加.町民の方から多くの示唆とメッセージをいただく.町民会議で発言させていただいた内容は,大島でネイチャーガイドをされている西谷さんがブログにも紹介してくださいました(ありがとうございます).
こちらです  ここでもまた「寄り添うプランニング」の必要性と可能性を強く感じています.

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2014/04/21(月)発災から3年:長野県栄村フィールドワーク

 長野県北部地震で被害の集中した栄村の青倉と小滝集落を研究室でフィールドワーク.
 1枚目の集落写真,まんなかの畑として使われている土地には,発災時に農家古民家があった.古民家がなくなるというだけでなく,集落そのもの「生活の空間」が消失していること,それを僕の研究室として世に問いたい,と思ってます.

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2014/03/03(月)日本都市計画学会「巨大震災に備えるシンポジウム」

 日本都市計画学会主催の「首都直下地震の新しい被害想定から首都地震対策を考える」シンポジウムにおいて,「復興まちづくりの主体論—東京で継続してきた事前復興の取り組みから—」 と題して話題提供をおこないました(レジュメはこちらです).

 引き続きパネラーとして主に,

「コミュニティ防災の指標化」および 「事前復興まちづくりの制度化」

 に関する論点に対して次のように発言させていただきました.

  1. 「被害想定のもつ数値の意味と被害軽減対策の組み込み方」に関連して,コミュニティベースの取り組みを事例として,事象としてプレゼンしたが,定量化が無理と考えている訳ではなく,積極的に地域や企業といった集団がもつ防災力の指標化を図っていきたいと考えている.たとえば,帰宅支障問題において,家庭間のルール有無と子どもをご近所で地域で見守るルールの有無により,無理な帰宅意図はかなり低減できると思われ,これは定量化がそれほど難しくない.
  2. コミュニティ防災を指標化していくにあたっては,地域危険度のようなフィジカルな指標とは異なり,行政だけで突き進めるのは難しい面も出てくるのではないか.なぜならば,コミュニティ防災力,言い換えれば地域防災力の高位,低位が明らかとなった際,低位集団への配慮でかなりの資源が費やされてしまう懸念が想定される.
  3. 加えて,コミュニティ防災力は,いざという時の対応で最終的には評価されるべきであるが,発生頻度が低い場合に,小さなハザードに対する地域としての対応を組み込めるとフィードバックにもなり,よいのではないか.たとえば,2014年2月の大雪に対して,自治会や集合住宅管理組合がどんな行動をとったか,など.
  4. 指標化はさらに,特定の指標化によって表現され得ない事象の視点から,つねに検証していく必要があると思われる.たとえば,地域防災訓練の評価にあたり,参加者数だけでなく,未就学児のいる母親の視点からどうか.練馬区バンブーシェルターProjectでは当日に多くの未就学児と母親の参加があったが,これは「避難拠点」として学校避難所の取り組みが進展しつつも,母親層において,漠然とした不安を感じていたことに気づかされた.
  5. 不燃化特区10年のように,人的予算的資源を集中的に投入しインテンシィブに進めていく事業と事前復興まちづくりのようなソフトに軸足を置いたアプローチとの関係であるが,事前復興まちづくりでは,「訓練だから」として,これまでの市街地整備の中で,タブーとなっていた事象に切り込める身軽さがある.たとえば,市街化に伴う区画整理事業を何度か検討したが,合意に至らなかった経緯をもつ地区で,仮に大きな被害が生じた際,保有土地資産価値の向上という面よりも,災害をくりかえさない地域をつくるための方法,として区画整理を復興訓練方針の中で位置づけた事例がある.
  6. 事前復興まちづくりの取り組みをいかに,制度に乗せていくか,という論点については,事前の防災まちづくり事業と事後の復興まちづくり事業を連続させて,事前にやっていた地区でこそ,事後の復興でもボーナスが得られるような連続した制度づくりが望まれる.

2014/02/21(金)東松島・女川・石巻復興実態調査

 研究室の恒例となりつつある2月の三陸現地調査.
 卒論でお世話になった東松島矢本グリーンタウン仮設住宅,今回,現地でミニフォーラムを開催させていただくことになった女川町,雄勝M集落,石巻市のO仮設住宅石巻の保育園,震災後に始めたカフェ等,復興の「いま」を学ばせていただく.
 さまざまな意味での「再建較差」を肌で感じつつ,今年も引き続き現場密着での研究と教育を展開したい,と思った.どちらも,大変に魅力的な「現場」であった.話しをお聞かせいただいたみなさま,本当にありがとうございました.

 


2014/02/17(月)野田村復興まちづくりCWS2013報告会

 野田村復興まちづくりシャレットワークショップの報告会.
 3回目の今年度は,昨年の8月に「なりわい体験ツアー」を実施.
 これまでの「まちづくりワークショップ」に「復興」と「なりわい」という新たな切り口を広げる手応えを感じた.近いうちにとりまとめて報告したい. 

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2014/02/11(火)TokyoFM LOVE&HOPE

 TokyoFMの平日の朝6:30からの番組にて「事前復興まちづくり」をテーマにオンエアーいただくことになりました. 2/10(月)から2/13(木)まで4回の予定です.
 よろしければ,ご笑聴ください.
TokyoFM LOVE&HOPE

http://www.tfm.co.jp/lh/index.php

 番組自体は,3.11直後から開始され,東日本大震災の復興を温かい視線で,かつ,クリティカルにとらえた番組で,ラジオ制作現場に大変刺激をうけました.

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2013/12/22(日)立川でのBosaiセミナーのお知らせ

 立川の多摩消費生活センターさんとのコラボで市民講座を計画しています.
 「講座」というより「交座」(Bosaiをキーワードにワタシをチイキを語る)になれば,と思ってます.よろしければ,ご参加,ご検討ください.

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2013/11/16(土)中高層集合住宅における災害時自宅生活継続に関する研究

 2011年度に多摩ニュータウン別所地区で実施支援した「災害時の自宅生活継続に備えるワークショップ」を地域安全学会にて報告.
 発表した論文は下記です.
 中高層分譲集合住宅での「自宅生活継続に備える」ワークショップ手法の開発 ,地域安全学会論文集No.21, pp.71-79
 会場での質疑は次のとおり.

Q:ワークショップにおいて発災時に住戸内に「住み続けられるかどうか」の判断はどうやってすることになっているか?

A:ワークショップで前提する被害想定をどうするか,という問題になると思います.今回のワークショップでは1991,2年の完工建物であり,維持管理状況もよいことから「住み続けることはできる」という設定で進めました.直後の継続可否の判断方法は大事な点と思います.

Q:発災後100時間といった直後期だけでなく,生活支障期の取り組みを可視化した点は意義がある.どう実現性を担保するのか,事前の取り組みとしてどんな意見があったか?

A:在宅避難生活支援Projectについて,本ワークショップでの最も大事な点であること,その通りです.居住者同士の「共助」の可能性が共有された,という意義はありますが,実現性を高めていくための方法論には到達できておらず,今後の研究課題といたしたいと思います.ただしワークショップでは,ネットとPCに強い理事メンバーから,外部支援情報を編集し共有する,居住者の取り組みやニーズ,提案を共有する,といった情報共有に関するProject提案といった,地に足のついた提案がなされたことは印象的でした

 


2013/09/29(日)雑司ヶ谷霊園南地区復興まちづくり訓練 第3回

 前回から3ヶ月くらいの期間をおいたが,雑司ヶ谷霊園南地区の震災復興まちづくり訓練の第3回.
 テーマは,「復興まちづくり方針」の検討.
 震災により大きな被害が生じた際,約1ヶ月後における区役所からの「復興の提案」を地域でうけとめ,まちを全体として動かしていくためのシミュレーション.
 すなわち第三回復興訓練での要点は2点あり,1点目に「区役所はどんな復興まちづくり提案をしてくるのか,地域としてどうそれを受け止めるか」という点,2点目に「雑司ヶ谷霊園南地区らしい,復興のプロセスの頭出し」という点である.
 雑司ヶ谷地区は,地域の歴史文化資源を活かしたまちづくりが着実に積み重ねられてきた地区.また今回の復興まちづくり訓練でも,そのキーパーソンがメンバーとなっている.すなわち,復興まちづくりを事前から地域として検討してもらう「素地」が十分に備わっている地域.より深掘りすべく,今年度後期の大学院授業でも平行して取り上げていく予定. 

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2013/09/27(金)スマトラ島西部地震:4年目の住まいとまちの再建調査

 2009年9月30日のスマトラ島西部地震から4年目の現地を踏査.
 定点観測している2つの集落と,自力集団移転再建を果たした集落で実測と聞き取り.
 ヤシの木の下で,じっくり物思いにふけることができそうだ.  

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2013/08/24(土)ISCP2013 in 仙台に参加

  仙台で開催されたInternational Symposium on City Planning 2013に参加.
 野田村シャレットワークショップの取り組みをポスターセッションにて,気仙沼での住まい再建支援の取り組みをspecial sessionで発表させていただく.
 杜の都仙台にて,よい転機になりました.

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2012/06/10(月)栄村の初夏(長野県北部地震から27ヶ月)

 栄村へ復興調査に.
 多くの田んぼで,田植えが完了.
 「ここに来たのなら,田んぼに入らなきゃ」と声をかけていただく.
 閉じているようで開いている,開いているようで閉じている,そんな雰囲気をもつ栄村ゆえに,多くの人を惹き付けるのでしょう.

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2013/05/25(土)雑司ヶ谷霊園南地区復興まちづくり訓練 第1回

 天気にもめぐまれ,第1回の雑司ヶ谷霊園南地区,復興まちづくり訓練をむかえた.
 第1回は防災復興資源点検まちあるき,だ.地域リーダーの案内で,雑司ヶ谷の魅力を改めて実感.第2回に向けて,内容的にもさまざまな頭出しができたように思います.

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2013/05/19(日)地域安全学会大会(男鹿)で報告

 秋田県男鹿市で開催された地域安全学会に参加,
 「できますゼッケン」を用いた避難所運営イメージトレーニングを報告させていただく.WSを方法論とした発表が何編かあり,とても刺激になった.

 また2日目のオーガナイズドセッション,では「東日本大震災からの復旧復興セッション」のコーディネータをさせていただく.大船渡市,旭市銚子市陸前高田市での防災復興研究者の支援活動を交流.「まちづくり」にとどまらない視野の広がりを感じた.  

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2012/07/29(日)気仙沼K集落の住宅再建なんでも相談会

 気仙沼階上K集落の復興まちづくり勉強会の第6回.大学チームを代表し,建築家Mさんより,第5回勉強会で検討した「こんな家に住みたいナ」という意見をもとに,間取りモデルプランを提案.それを元に検討.1対1で進めるのが通常時の進め方であるが,「みんなでもどろう」という気持ちをもとに,わいわいガヤガヤと勉強会.
 今回から新しく4月から研究室配属となる学部生も参加. 

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2013/02/21(木)高齢者福祉施設におけるBCPと防災訓練シンポジウム

 東京都社会福祉協議会は2010年度から「大規模災害対策検討委員会」を設置し,社会福祉施設の大規模災害対策に関する提言や研修を実施している.当研究室で具体的なコミットメントができている訳ではないが,中心メンバーである齋藤さんにご案内いただき,2013年2月21日のシンポジウムを聴講させていただいた.

 高齢者福祉施設BCPを検証するための防災訓練を工夫をこらして取り組んできた,とお聞きしていたのだが,これほどの規模・水準・多様な切り口で展開しているとは知らず,大変に勉強になった.

 日本では小中学校が公的避難所(shelter)になっているが,世界的にはそう位置づけられている国はあまり多くない.2008年の四川地震で多くの生徒が小学校で亡くなった事例はその象徴だろう.そして,その歴史も,おそらく1923年の関東大震災以来,日本が培ってきた一つの「災害文化」である.

 シンポジウムを聞いていて,訓練の前提となる被害想定シナリオをさまざまなパターンで展開していっていただきたいなぁ,と思いつつ,それ以上に強く感じたのは,東日本大震災を契機に,社会福祉施設が地域の災害時の対応拠点として,今後は位置づけていく必要があるのではないか,という点だ.これは現場の施設スタッフだけで検討すればよい問題ではない,地域・行政を含み,国レベルでの議論が必要だと強く感じた.

 

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2013/02/11(月)1983年日本海中部地震から30年:加茂青砂集落

 1983年の日本海中部地震から今年は30年.地域安全学会の春季大会の開催を相談すべく,男鹿半島へ.

  写真は男鹿半島の西海岸に位置する加茂青砂集落.日本海中部地震津波で被災し,遠足に来ていた小学生が亡くなる. 最高気温マイナス1度,荒れる日本海,時折の地吹雪,というコンディション,にも関わらず,そこはかとない魅力を感じる場所.それは,通い続けている三陸地域の海の集落と共通するものがある,ような気がした.

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2012/07/29(日)横浜市 防災まちづくりの現場訪問

 大学院生と横浜市の防災まちづくりの現場を歩き,その後,横浜市都市整備局にて「横浜いえ・みち・まち改善事業」の経緯と概要をお聞きした.ヨコハマらしい「プランニング・カルチャー」を感じた一日,となりました.

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2012/11/12(月)池袋本町地区震災復興まちづくり訓練第4回

 池袋本町の震災復興まちづくり訓練もいよいよ最終回.
 第4回は「復興ワールドカフェ」.これまでにテーマとして挙げてきた内容について,掘り下げておこう,というプログラム.開店したカフェは,
 A.すすめかた商店
 B.仮設のまち本舗
 C.復興まちづくり工房
 D.沿道街づくり事務所
 E.くらしサービス社
 F.いけほん復興何でもカフェ
 の5つの「カフェ」.それぞれ40分ほどで,2つのお店を参加者には回っていただいた.
 不肖,ワタクシは「A.すすめかた商店」を担当させていただく.救援拠点(区立小中学校)にて,6町会をコアに「復興をはじめる」こと,地域内のまちづくり団体や子育てサークル,高齢者ケアサークルにも声をかけて,「池袋本町地区 復興まちづくり協議会」を設立するまでの論点を整理してみた.これらは12月の「訓練報告会」までに大学側でチャートとしてとりまとめる予定.
 また,継続論点としては,

  • 復興条例かマニュアルに「協議会の運営費補助」について,表現しておくべき.
  • 「事前復興協議会」の提案は,チャンスとみて,訓練成果をもう少しブラッシュアップする場が持てないか.
  • 民間ディベロッパーとの関係に言及された方が何名か.まちづくり協議会との連携が可能か,どんな役割分担で?!

 といった点,でした.研究室メンバーのみなさん,池袋らしい居酒屋での打ち上げ含め,おつかれさま!

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2012/10/20(月)階上S集落 移転再建地デザイン・ワークショップ

 今年2月から,研究室としておつきあいさせていただいている気仙沼階上地区のS集落におけるワークショップの第3回.1/200スタディ模型を用いて,元の集落再生と住まい再建を両立させるための「埋め込み型集団移転」を検討中.
 地域メンバーから,さまざまなアイディアが出てきた.研究室学生チーム,大変おつかれさまでした〜

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2012/10/06(土)都立永山高校での避難所ボランティアWS

 多摩市にある都立永山高校にて,連続3回の防災ワークショップの最終回.というか,最終回が今年度から都立高校の全校で開始された「宿泊訓練」に合わせて,「避難所で永山高校生に何ができるか」と考えてみよう,という展開にすべく,一連のプログラムを設計してきた.
 すでに修学旅行のような,ハイテンションの中,「できますゼッケン」を用いた1時間半のワークショップを実施.意図していた以上の出来.高校生が頭を働かせている時にみせる,きらっとした瞳のかがやきに,思わずココロをわしづかみにされてしまった.
 非常に印象的だったのは,社会人を対象とした場合だと,「ワタシのできることが本当に役に立つのだろうか」という問いとなって,深掘りされていくのに対し,高校生の場合「将来こんな仕事をしたい,その職業についていた際,大災害時にこんな役に立てそう」という自分の将来像におもいめぐらす面があること,言い換えれば,自分の将来を,自分が社会にどう貢献するか,という高校生が向き合わなければならない「問い」に答えることが,「災害時に自分は何が出来るか」という問いにつながってくること.
 そうか,それで,目が時々きらっと光っていたのか.
 研究室スタッフ各位,計画連合の若手スタッフ各位,本当におつかれさまでした.
 僕自身,大変清々しい体験をさせてもらいました.

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 2012/09/30(日)池袋本町地区復興まちづくり訓練第3回

 豊島区池袋本町地区の震災復興まちづくり訓練も,いよいよ佳境.
 第3回目は「復興まちづくり方針をつくる」というテーマ.想定プロセスイメージとして,大地震発生1ヶ月後くらいの段階で,地域としての「復興まちづくりのキックオフ」として,区役所から方針説明がなされる段階を想定した.
 区役所と地域組織を主体に,専門家側はそのプラットフォーム形成支援,というスタンスで訓練事務局を努めた.ファシリテーターを担当し,大学側としてコメントをさせていただく機会をいただいた.そこで指摘させていただいたのは次の4点.
(1)地域内を縦断する都計道72号と83号について,問題はその「デザイン」にあることが明らかになったように思う.歩道をゆったり確保する,沿道建物と道路との空間イメージが大事なのではないか.
(2)区からの提案にあった「復興住宅」の事業スキームが本来は肝要.「公営」でないことに意識する必要がある.民間のチカラを借りて,現在の借家率56%の地域の賃貸住宅の再建像に,いかに関与できるしくみを作れるか.
(3)各テーブルから指摘があったが,復興事業の「優先順位」や「プログラム」の検討提案は大事.生活と住まい再建を最優先に,また手戻りを最小限に抑える方向での基盤整備のプログラムをいかに描けるか.
(4)「みんなの声をいかした復興」という提案があったが,公正かつ速やかに,復興まちづくりを進めるしくみ,について制度設計面で再検証が必要と感じた.
 担当したテーブルで印象的だったことは,「公共施設整備重視」の区画整理でなく,「細街路整備重視」のミニ区画整理を地元からの提案で,という点.事業から計画へ,というアプローチは避けたいが,事業を「公正かつ速やかに」組み立てていくための「プランニング」の必要性は必ずある,と思う.


2012/09/29(土)スマトラ島西部地震から3年:集落復興実態調査

 2009年9月30日の発災から3年目を迎えたスマトラ島西部地震の集落復興調査を実施.

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2012/09/14(金)長野県栄村の復興定点調査

 2011年3月12日に発生した長野県北部地震で被害の集中した栄村を,後輩の建築家,大学院生と訪問.地元NPOのメンバーと主な集落をまわる.米づくりに欠かせない「みずみちのシステム」の歴史的な営みについてお聞きする.もしかしたら,明治期以前は,ここは蕎麦畑,だったかもしれない.急傾斜と遠くの場所から水を確保している.そして「みずみち」の維持には,集落の人々のいとなみがある.
ちょうど9/6に「栄村震災復興計画」が策定された.宮城・岩手と比べればゆっくりではありますが,その分,「栄村らしい復興」について,かなりつっこんだ興味深い議論がなされている.引き続き首都大チームとして「寄り添って」いきたい.
 ところで,建築学会大会でも,栄村での調査支援活動について報告.何人かの先生から質問と大変に示唆のあるコメントをいただいた.東北やインドネシアの情報交換も含め,手応えのある学会参加になりました.
 Aさんが市古研究室の活動を紹介くださってます.「槌音」シリーズの第3話です.
 http://www.aanda.co.jp/fukko/03_sakae.html

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2012/07/29(日)Vulnerability と Resiliency

 Resiliency(強靱性)は,3.11以降,建築・都市・国土計画の分野で,大きく取り上げられ続けているワードの1つだ.
 僕自身は,Disaster Researchの立場から,「Vulnerability脆弱性)でいいじゃん」と事あるごとに主張しているのだが,あまり形勢はよろしくない.
 スマトラ島の復興調査メンバーである兵庫県立大学のY先生との議論で,日本でも生態学分野の研究において,311前からResiliencyに着目されていたグループがいることをお聞きする.さらに,the Resilience Allianceという活動も展開していることを知る.そのthe Resilience Allianceにおいて,Vulnerability とResiliencyを相互比較し,相互乗り入れの利点を強調した論文がある.ざっと目を通したまま,放っておいたのだが,当方の研究を紹介する点からも,大事な視点を有しているので,添付で抄録をつけます.学生諸君は,ぜひ原著も読むように!
 http://www.ecologyandsociety.org/vol15/iss3/art11/
 実は読後にすかさず想起したのは,1970年代の都立大災害研究グループを引っ張ったのも,地理学分野の先輩だったな,という点.中野尊正先生は,総合都市研究創刊号(1977)で「災害過程とは,サクセッション(遷移)過程である」と達観されていた.レジリエンス研究が注目する「外部ストレスに対するシステム変容」に,おおよそ四半世紀,先行していたことになろうか.
 「SummaryOfRV.pdf」


2012/06/26(火)池袋本町地区復興まちづくり訓練第2回

 「現地にとどまって復興をすすめる」ための時限的市街地の検討にフォーカスした復興まちづくり訓練第2回に研究室として従事.
 研究室メンバー一同,朝からおつかれさまでした.池袋本町らしい復興まちづくりのプロセス,事業とまちづくり協議会の関係性について,参加者のつぶやきを整理して,次回のプロセス・デザイン提案につなげたいと思います.

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2012/06/15(金)初夏の三陸の海の青さ

 気仙沼雄勝町の復興支援調査.
 海の青さにおどろく.こんなにきれいな青い海は初めてだ.
 寄り添う支援のカタチ,とは何か.
 今回も多くのことを学ばせていただく.

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2012/05/28(月)池袋本町地区震災復興まちづくり訓練スタート 

 豊島区池袋本町での第1回震災復興まちづくり訓練が実施される.研究室として企画運営に協力. これから年内をかけて,震災復興の視点から,まちを観察し,地域の方と話をし,復興への備えについて,考えていきます.

 地域の方とまちを点検していて,気がついたのは次の通り.

  • 地域の方によれば「減った」とはいえ,設備共用でくつを脱ぐ共同玄関のある中廊下式の賃貸木造住宅がやはり印象深い.住家被害が生じた場合,このような住宅形式が再生産されることは考えにくいが,では,どんな住宅形式の建設が想定されるか.また誘導すべきか.
  • 老朽木造賃貸住宅にかわる集合住宅形式として考えられる水準.
  • 延焼被害が生じなった場合,道路の拡幅は現在のまま,となるのか.それであっても,中心線と官民境界を決めておかないと(地籍調査をしないと),自力住宅再建のブレーキになってしまうだろう.
  • 復興の地域組織として,現在の(発災時の)リーダーが役割を果たすと同時に,新しいリーダーが出てこないと町の復興として難しい,という印象と期待を参加した現町会リーダーは感じていた.
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2012/05/21(月)

 5月に2回ほど,野田村を訪問.  野田村役場(総務課,復興村づくり推進室,教育委員会),仮設住宅リーダー,野田村森林組合,野田村農協,下安家漁協,野田村商工会青年部をまわり,復興にむけた取り組み状況をお聞きする.チーム北リアスの永田先生,塩田さんそして,河村先生とも夜な夜な打ち合わせ.  おおよその方向性は見えてきた.6月上旬には,東京組のキックオフ会も予定.  これらをふまえて,5/18に北上ステーションで野田村のセミナーを開催したときの論点は主に2つ.

 第一に,復興公営住宅と移転自力再建住宅の比率の問題.「生活再建」という視点からみて,もしくは,住まい手の「ライフスタイル」という視点からみて,切り口を明確にできないか,という点.

 第二に「復興に取り組む地域組織論」.阪神地域での「復興まちづくり協議会」方式を脱構築していくか,漁協といった生業組織をコアに,という展開に加え,「プランニングユニット」という点からも気になっている.

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2012/05/02(水)栄村集落再建支援調査

 栄村の集落再建支援調査.
 集落班,復興資源班,民家修理調査班の3つにわかれて調査.
 雪と桜,だけでなく,フキノトウコシアブラなど,新緑の山菜の緑で足下がまぶしい時期.研究室の復興支援活動として,いろいろと宿題もいただきつつ,食も景色も堪能させていただきました.

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2012/1/11(水)向島まちあるき 

 学部授業の一環で,東向島から京島まであるく.
 墨田区の木密担当のTさん,事業の経緯をご案内くださり,どうもありがとうございました.
 東向島は,事業としては完了し,地域での「まち育て」が中心.京島は防災街区整備事業が工事に入り,木密内の道路整備の進行により,動き出しそうな敷地も多く見受けられた.どちらの地区も「木質3階建て」の意味を掘り下げた上で,リ・デザインできると,墨田防災まちづくりの「今」が見えてくるのでは,と感じる.
 白髭橋から眺めた際に,堤防上のブルーテントが多いなぁ,と感じつつ,16時過ぎの銭湯から気持ちよさそうな顔で出てこられたお年寄りのご夫婦にホッとする.
 来週,今日のまちあるきを踏まえた学生のアイディアコンペ.この空間を20前後の今の学生がどう感じ,働きかける視点をもったか,楽しみだ. 


2011/12/24(土)事前復興まちづくりのアップデート(2011Dec) 

  東京都職員向け研修(11/29),首都大での多摩の魅力発見講座(12/17),首都大オープンユニバーシティ(12/21),建築学会「広域巨大災害と大震災に備える」公開研究会(12/22),といった場で,「東京の事前復興まちづくりの10年」と題した話題提供をさせていただく.聴衆の反応はプレゼン準備次第なのだが,比較的スムースに理解いただけている印象.
 質疑という点では,やはり建築学会の公開研究会が一番,深まった.中林先生をコーディネーターに,池田浩敬さん(富士常葉大),牧紀男さん(京大),情野正彦さん(葛飾区),佐藤滋先生(早稲田大)による話題提供とディスカッション.
 印象に残った指摘は次の点.

      • 復興の「スピード」感.阪神の都決まで2ヶ月,東日本の84条の8ヶ月延長措置,に対して,東京の復興立ち上げは,どんなスピードが想定されるか,求められるか.産業復興の点からの濃淡はあろうが,生活再建の立ち上がりを速やかに進めないと,実は,住宅地においても,仮設店舗や仮設サービス施設(保育園や幼稚園など)の動きも遅くなるのでは,と感じた
      • 事前復興まちづくり事業を実際に担うのは,どういった主体なのか,という点.復興まちづくり訓練は,自治会・町内会といった地域組織,すなわち比較的高齢層が中心だが,訓練の中でアイディアとして,首都直下地震にむけた事業提案がなされた際,行政もさることながら,もっと現役世代の担い手を見立てなければ,ならない.「市民」とは,地域組織を構成すると同時に,地域のために,新しい発想をもってProjectを進める力をもった層をいうのだろう. 

2011/11/25(金)石巻3.11避難行動オーラルサーベイ

 石巻市中心部にといて,主に3.11当日の避難行動について聞き取り調査を実施. 


2011/11/20(日)八王子市別所地区の地域協働復興訓練 

 連続三回の訓練の最終回.
 分譲集合住宅を対象とした復興訓練は,おそらく日本で初めての取り組み.
 それでも,3.11の経験などもあり,対象となった多摩ニュータウン内の集合住宅管理組合の理事メンバーの関心は高く.意見がたくさん出たし,地域にとっても,防災対策を進める上での一つのきっかけになった様子.
 僕の担当したグループで出された,
 ・住戸安全確認カード(安否確認を玄関ドアに表示するもの)
 ・疎開避難届け出カード
 については,是非,具体のデザイン提案までしておきたい,と感じた.
 学生メンバーも下働きだったが,各自なかなかよい刺激を受けた様子.地域のニーズを読み解き,その場で適切な語彙に変換し,その後に具体の作業提案(費用も含めて)をすること,は「都市をつくる」仕事に求められる基本スキル,であることは現場でしか体感できないし,教えられないもの. 


  2011/11/13(日)地域安全学会にて町田自主防災組織の取り組みを報告

 11/11-12に静岡県地震防災センターで開催された「地域安全学会大会」にて,「自主防災組織の活動特性を踏まえた連携実績と連携ニーズに関する調査—東京都町田市を対象に—」を報告.今年度は,他にも3.11における災害障害者の避難生活実態や,帰宅困難問題,復興計画のための「プランニング単位」に関する検討など,興味深い発表があり,大変に刺激的な2日間でした.
 いただいた質問や意見としては,
 Q:任期と活動水準の比例関係について同感,何か手立てはないのか?
 A:例えばマンション管理組合における組合理事(1年交代)と大規模修繕委員会(複数年)の考え方が慣用できるのではないか.
 Q:町田は相対的にみて震災リスクが低く,活性化も難しいように思う,なぜ町田でここまでの取り組みを支援するのか?
 A:内水被害としては比較的多発している,ただし,震災リスクについては,23区に比べて低い,活動方針について,区分しながらの支援が必要と思う.
 また「分析評価、ツールなどの発表が多いなかで、先生のご発表では実践的で現実的なディスカッションがなされたのでは」という感想もいただいた.町田の取り組みは今年度もProjectが始動している.気仙沼での活動報告とワークショップの内容で,来年1月に実施予定です.

 


 2011/10/01(土)都市防災・災害復興研究室が始動

 2011年10月1日付けで,准教授へ職位の異動があり,市古研究室が始動いたしました.
 事前復興まちづくり,国内外の災害復興調査支援を中心テーマに,地域社会が抱える様々なリスクに対応するための方法論を構築していきたい,と思っています.
 どうぞ,ご指導,ご鞭撻ください.

 


2011/8/25(木)建築学会,都市計画学会,都市計画家協会での投稿原稿

 表記のとおり,3つの学協会に3.11後,復興に関する記事を書かせていただきました.  よろしければ,ご覧ください.

        (1)「防災復興研究者として,3.11 後に走りながら感じ,行動したことから考える」(2011/8月)  日本建築学会都市計画部門パネルディスカッション資料「これからの都市防災」  aij2011pd_ichiko.pdf
        (2)「POKMAS,T-Shelter から発想すること -インドネシアにおける巨大地震からの住宅再建スキームから考える-」(2011/6月)  都市計画学会会誌「都市計画」291号,vol.60 no.3  都市計画学会へのリンク
        (3)「酒田・阪神型 市街地復興手法の再構築」(2011/6月)  都市計画家協会会報「Planners」67号  plannners67全文PDF(4.6MB)

 


2011/8/11(月)野田村復興まちづくりシャレットワークショップ 

 7/27-29(実際には30未明まで)に野田村復興まちづくりシャレットワークショップを「チーム北リアス」との連携活動として実施.僕はチーフディレクターをさせていただいた.研究室先輩でもある八戸高専の河村先生に地元の窓口を,野澤先生(工学院大)と北原先生(弘前大学)にシャレットに関する専門支援をいただき,八戸高専弘前大,工学院大,首都大,京都大のまちづくり系研究室により実施.専門家クリティークとして,永田先生(京都大),川原先生(首都大),渥美先生(大阪大),柳瀬さん(アルテップ),長谷川さん(JICS)にご参加いただいた.

 結果等はおいおいアップするとして,まずは当日のプログラムを写真にてご報告.地元メンバーとして参加いただいた,下安家集落の沢口さんもブログで紹介くださってます.  なお今回のシャレットは復興まちづくりの「はじまり」に過ぎません.僕の研究室でも長期的な支援を今後も継続していきます.

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八戸に集合

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下安家からえぼし荘への「避難路」.勾配​もきつく大変なため使う人が少なく,荒れてい​た.

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第一弾フィールドワークを終えてのまとめ作業

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復興写真館に飾られていた「十府ケ浦」の海水浴風景

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 「曲がり家」での深夜個別エスキス.21時からスタート​,終了は深夜1時

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翌朝,地域リーダーの方に木造仮設を案内いただく.             

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最終発表会に向けての作業光景.みんな徹夜でしたが,なんだかテンション上が​ってます! 

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全体発表&打ち上げ.地域リーダー,北リアス,函館高専学生も参加.

 


2011/7/10(日)栄村被災古民家の再建活用を核とした集落総体復興に向けて

 表記の報告提案書を持参して,栄村へ三度目の訪問.  5月に実施した「実測調査」を元にした提案書.  協力してくれたチーム(宮川さん,渡辺さん,櫻井さん,木村さん,志岐さん)のみなさん,どうもありがとう.  道路が開通した大久保集落を初訪問.県指定文化財の高橋家住宅の発災前後の経緯について,付近の方にインタビュー.国道から入った集落ゆえ,青倉,小滝よりもさらに「風景資源としての集落」が息づいている.  午後からはNPO栄村ネットワークと経緯についての情報共有と今後のProjectの進め方について,相談.いよいよ事業化に向けて,本格化しそうだ.  上記報告書,よろしければ,ご覧いただければと思います.市古まで,ご連絡ください.


2011/06/15(水)東北初動調査状況

 発災から3ヶ月.自分自身の被災地との関わり合いも,しっかり腰を据える「見立て」が必要な段階にあると認識.具体的には,下記のProjectに参画中.自分にできることは,丁寧に最大限の資源を投入したい.

      1. 岩手県野田村での学生シャレットワークショップ
      2.  チーム北リアスの取組みの一環として,八戸高専八戸工大,首都大,京都大,工学院大の共同Project.  7月末に計画中
      3. 岩手県山田町避難行動実態調査
      4.  東北大学東京大学大阪市立大,山口大,関西大,首都大の防災系研究室の連携調査.
      5. 長野県栄村古民家再生を核とした集落総体復興Project
      6.  NPO栄村ネットワークの復興まちづくりの一環として実施.4月と5月の調査結果の報告書がもうすぐ,まとまる予定.
      7. NPO法人都市計画家協会 復興まちづくりポータルサイト企画運営TF
      8.  もうすぐ,お披露目できる予定.後方支援という位置づけね.

2011/04/22(金)東北初動調査状況

OBOGを中心に「市古は何やってるんや〜」と,問い合わせくださる方もいらっしゃいます.ありがとうございます.現時点までの経緯をまとめておきますと,

      1. 建築学会災害委員会関東支部調査団としての初動調査活動(3月中,中野,町田)
      2. 福島南部から茨城県沿岸部にかけての中林教授との共同初動調査(3/27-28)
      3. 八戸高専&弘前大被災地支援Gとの青森岩手沿岸部の共同ニーズ調査(4/11-13)

 でした.  福島から南の調査につきましては,4/8のリライフ研究会にて,ご報告させていただきました.下記に当日資料等がアップされています.

 また,青森岩手沿岸部の調査につきましては,4/20の建築学会「まちづくり展連続WS」にてご報告させていただきました.  私が支援できることでしたら,必ず実行いたします.  何かございましたら,ご相談ください.


2011/04/10(日)長野県北部地震@栄村

 東日本大震災の翌日,3/12の3時59分に発生したM6.7の地震で被災した長野県栄村を宮大工職人のMくんと調査.
 NPO法人栄村ネットワークの松尾さんに,青倉集落をご案内いただいた.想像以上に住家被害が生じ,避難生活も継続している.その一方で,片付けをしたり.家の修理に取り組む住民の方々の光景に出会う.玄関脇での稲の発芽準備も始まっていた.
 僕らにできること,を千曲川沿いを走る車中で話し合いながら,長野にもどった.