まちを通る風を感じて

防災・復興まちづくり研究者,市古太郎のBlog

都市計画学会誌 特集:関東大震災100年,予告

 現在,日本都市計画学会の学会誌編集委員会で活動しています.都市計画学会誌は年6回発行で,2023年7月発行予定の特集:関東大震災100年:近代復興から現代復興へ,の編集主査を務めてきました.

 ほぼ編集方針と執筆依頼,また4本のインタビューも進行しつつあり,その中で,関東大震災と都市計画,について,百年後のいま,から深める意義についてもフォーカスで絞られつつあります.

 次号予告,ここで紹介しておきたいと思います.

 次号は今年9月で百年となる関東大震災の特集号です.

 関東大震災の帝都復興については,すでに多くの記録や研究成果があります.

 今回の特集では,関東大震災「への」と「からの」という視点を重視しています.関東大震災「への」取組みとは,明治・大正期にかけて誕生しつつあった「近代都市計画」の思想・計画技術・体制による対応と深化を考察するという意味であり,都市住宅政策,市街地計画技術,都市計画に関する専門家と官僚組織,民間事業者・プランナーの登場と貢献といったテーマを掘り下げます.それはまた,その後の都市づくり・都市計画に帝都復興がどんな影響を与えたか,という関東大震災「からの」取組みの考察につながっていく側面を有していると言えましょう.

 また特集テーマにある「近代復興から現代復興へ」において,近代復興が思想・制度・運動として確立したのが関東大震災であったと仮構して編集作業を進めています.さらに関東大震災は「近代都市計画」の確立という視点からはどう深めることができるか,特集論考とインタビュー,まとめの座談会で考究する予定です.