まちを通る風を感じて

防災・復興まちづくり研究者,市古太郎のBlog

家庭と地域の防災行動要因の調査報告-郊外大規模開発造成住宅地を対象に-

 1970年代に造成開発された八王子市内K住宅地区を対象に,K地区自治会全世帯にアンケート調査票調査を実施し,回収数366通(回収率51.9%)の調査結果を2022年度秋季地域安全学会大会で査読論文として発表しました(2022/10/30,静岡県地震防災センターにて).発表に先立って,K地区の自治会総会でも報告とお礼をさせていただきました.

 リサーチクエスチョンは「家庭防災(自助)と地域防災(共助)は相互にどんな関係を有し,その有機的連携策をどう組み立てたらよいか」です.最も関連する先行研究として,元吉ら(2007)の「家庭防災と地域防災の行動意図の規定因に関する研究」がありましたが,本研究では,全世帯意識調査結果をパス解析すると同時に,5年にわたるフィールドワークとアクションリサーチを踏まえて考察を行いました.地域コミュニティ防災研究におけるささやかですが,手応えある貢献ができたように思います.よろしければ論文もご笑覧ください.

市古太郎(2022)郊外大規模開発造成住宅地における家庭と地域の防災行動要因に関する研究-八王子市K地区を対象としたパス解析-, 地域安全学会論文集No.41,pp.345-354